主な調査結果

何を持っているかではなく、何をするかが重要です。物は爆発的な喜びをもたらしますが、その瞬間はすぐに過ぎ去り、程なくして次の大事なことを考えてしまいます。パンデミックが終息しつつある今、多くの人が、物ではなく思い出を残すことに新たな姿勢を示しています。トリップアドバイザーが最近、7つの主要市場で5,618人の旅行者を対象に実施した調査によると、3人に2人が、以前と比べて体験に価値を置いていると回答しています。支出行動は、この感情をさらに強固なものにしています。平均して、調査回答者は自由に使える支出の半分以上（54％）を体験に費やし、34％は過去の行動と比べて、物よりも体験に多くの支出を行っています。

旅は最高の体験です。あるトリップアドバイザーの利用者は、「[as a travel experience]同額の価値があり、同じような喜びを感じられる物は思いつきません」と述べています。

旅好きに選ばれるトリップアドバイザーでは、人々が体験、特に旅行体験をますます重視する理由を十分に理解しています。トリップアドバイザーで常時人気の高いアクティビティである、コロッセオやエッフェル塔など、象徴的な記念建造物を初めて目にする時も然り。珍しい地元グルメに舌鼓を打つ時でも、完璧なホテルの客室のドアを開ける時でも、旅の根幹は記憶に強く残る瞬間の連続です。

充実した旅は人生を変える

突き詰めれば、日常から解放してくれるのが旅行の体験というもの。旅行の一番のメリットについて尋ねたところ、半数近くが、旅行は日常生活から離れて過ごす重要な方法（47％）、リラックスやリフレッシュするための方法（46％）と回答しました。記憶に残る体験をする理由としては単純すぎるように感じるかもしれませんが、61％が充実した旅行の定義として、日常から離れてリフレッシュできる体験であると述べています。
さらに深く掘り下げると、旅の充実感は、一生の思い出となる決定的な瞬間から生まれます。

最近の充実した旅行を振り返る旅行者

思い出になるだけでなく、旅には人生を変える力があります。旅は限界を押し広げ、新しい考え方への扉を開いてくれます。旅行者個人への長期的な影響は否定できません。10人中7人近く（69％）の回答者が、最近の充実した旅行で個人的に成長できたと感じています。個人の成長という要素は、他では体験できない旅にするための重要な要素です。31％の回答者が、そういった成長や自己発見が促されたため、最近の旅行が特に充実していたと回答しました。

旅での成長を実感、世代別、2023年

_{出典：トリップアドバイザーの「The Experience of Travel」、5,618人対象、オーストラリア、フランス、インド、日本、スペイン、英国、米国、2023年11月}

特別な旅で重要な役割を果たすアクティビティ

旅行先でのアクティビティ（ツアー、アクティビティ、観光スポット、イベント）は、最初から旅行の選択に影響を与え、地図上のどこに行くかの決定にも影響します。費用の検討に次いで、アクティビティは旅行先の選択に大きな影響を与えています。

全体を見ると、各構成要素が組み合わさることで、思い出に残る充実した旅になります。それぞれの要素が重要になるのです。

充実した旅行体験を作り出すうえで、旅行の各構成要素が果たす役割を評価する場合

一方、旅行者が最も影響力のある要素を選ぶとしたら、旅行先でのアクティビティが一番にランクインしました。半数近く（46%）が、思い出に残る旅にするための最も重要な要素として、アクティビティを挙げています。多くの場合、旅の決定的な瞬間は、旅行先でのアクティビティに参加しているときに起こります。10人中9人近く（87%）が、最近の旅行でアクティビティに参加しているときに、最も思い出に残る瞬間を経験しました。

旅行の優先事項がリラックスであった場合でも、調査対象のほぼすべての旅行者（95%）が旅行先で少なくとも1つのアクティビティに参加しました。候補となるアクティビティの分野は幅広く多様ですが、このように特別な旅行では、依然として王道のアクティビティが一番人気が高くなっています。最近の充実した旅行で、最も人気のあるアクティビティのタイプは自然の観光名所でした。調査対象の旅行者の45%が国立公園や植物園などの自然の観光名所を訪れ、42%が文化的なランドマークや記念建造物を訪れました。

一番人気の旅行のアクティビティ（2023年）

_{出典：トリップアドバイザーの「The Experience of Travel」、5,618人対象、オーストラリア、フランス、インド、日本、スペイン、英国、米国、2023年11月}

参加者の意見を参考にして充実した旅へ

旅行が有意義な買い物であることは明らかで、多くのメリットが伴いますが、リスクの高い投資となります。「モノより体験」という考えが一般的になってきましたが、体験を購入するのは物を購入することほど簡単ではありません。形ある物を買うのとは違い、旅行の選択では、直接内容を確認できないまま体験に参加しなければならないため、最終的に不満が生じるリスクが高まります。自信を持って意思決定を行うための信頼と十分なデューデリジェンスが、さらに重要になります。

旅行者の口コミサイトは、一般的な検索エンジンに次いで、有意義な旅となるよう、旅行者が十分な情報に基づいた決定を行えるようにするための主な情報源です。宿泊施設からアクティビティまで、口コミは発見と選択を促します。最近の充実した旅行では、旅行者は宿泊施設を選ぶ際に何よりも場所と費用を検討しました。これは、一般的な旅行行動に関するトリップアドバイザーの過去の調査と一致しています。ですが、基本事項が決まると、口コミが重視されるようになりました。ほぼ4人に1人の旅行者にとって、ポジティブな口コミが上位3つの決定要素となり、宿泊施設の選択につながりました。アクティビティの面では、3人に1人以上（37%）が他の旅行者からの評価が高かったため、ツアー、アクティビティ、観光名所を選び、26%が最初に旅行口コミサイトでそのアクティビティを見つけました。

人気の旅行ガイドのリソース（2023年）

_{出典：トリップアドバイザーの「The Experience of Travel」、5,618人対象、オーストラリア、フランス、インド、日本、スペイン、英国、米国、2023年11月}

旅には交渉の余地なし

このように大幅な投資収益率により、調査対象となった旅行者のほぼ4分の3が旅行を優先事項と考えています。ポジティブな旅行体験により、何が一番大切なのかについての考え方が変わります。最近充実した旅行を経験した旅行者は、そうでない旅行者よりも来年の旅行をより高い優先事項として考えています（前者が78%に比べ、後者は55%）。

マクロ経済の先行きが不透明な現在でも、95%の回答者が、次の休暇に備えて、他のカテゴリーで自由に使える支出を減らすことに前向きです。旅行は体験のタイプとして優れており、回答者は旅行に行く代わりに、外食（44%）やエンターテインメントやイベント（33%）などの他の体験への支出を削減してもよいと回答しています。また、旅行者は、レジャーアクティビティや体験（25%）よりも、フードデリバリー（42%）やライドシェア（33%）などの便利なサービス、または衣料品（36%）やハイテク機器 (32%) など物品の購入を減らす傾向が高くなります。

トリップアドバイザーの見解では、「モノより体験」へのシフトは、現時点では一過性のトレンドではありません。旅行そのものと同じように、長期的な影響を持っています。

旅行に備えて自由に使える支出を削減する（2023年）

_{出典：トリップアドバイザーの「The Experience of Travel」、5,618人対象、オーストラリア、フランス、インド、日本、スペイン、英国、米国、2023年11月}

_{出典：トリップアドバイザーの「The Experience of Travel」調査、2023年11月}